知的障害と話し言葉の遅れはありませんが、自閉症的な症状(特的の物事に対するこだわりが強く、社会性やコミュニケーション、抽象的な事柄に対する理解が苦手、など)が見られます。
感覚が過敏である人が多いのも特徴の一つです。育て方やしつけの問題ではありません。
以上の特性が幼少期から見られ、これらの特性が仕事や学校・家庭などの生活場面に支障をきたしていることが診断基準となります。
多動性、衝動性、不注意の3つの特性から、生活のしづらさを生むのがADHDです。
親のしつけの問題、と見られがちですが、しつけや育て方の問題ではなく、生まれつきの脳の発達特性が関係しています。
通常、小学校の高学年頃までには学校や家庭などの複数の場面で下記のような症状が複数見られます。
多動性は、子どもでも年齢とともに目立たなくなっていきますが、貧乏ゆすりなどの細かい動きやおしゃべりという形になることもあります。
衝動性に関しては、じっくり考えずに行動しがちで、交通事故にあったりお金の問題やギャンブルなどにのめりやすかったりとリスクの多い人生になることもあります。
不注意優勢型の場合は、症状が見過ごされたまま大人になるケースが少なくありません。
カウンセリングの中で、それぞれの障害の特性について理解するための心理教育をしつつ、その特性に合わせた人付き合いや学校生活の送り方、進路、働き方などについて共に考えていきます。
そのために、心理検査を行うこともあります。
また、お困りの特性や症状について、ご本人だけでなく、ご家族も一緒に考えていけると二次障害の予防や早期治療に繋がりやすいでしょう。
生活の中で特性による困った行動がある場合は、その行動の変容を目指してソーシャルスキル・トレーニングや認知行動療法などを行なっていきます。
また、発達障害の特性により生きづらさを感じ、気分が落ち込んだり怒りの感情が治まらなかったり、時には強迫症状が現れたりすることがあります(二次障害)。
このような場合は、カウンセリングと並行して薬物治療を行うこともあります。
知能検査の他に、複数の心理検査があります。カウンセリングに先立つ形で実施したり、カウンセリングの途中に実施したり、定期的に実施したりと使い方は様々です。現在の気分や状態を把握するために用いることもあれば、絵を描くなど癒しの要素に重点を置くものなどもあります。検査は、患者様から希望される場合もありますが、臨床心理士より提案する場合もあり、患者様のニーズに合った検査をカウンセラーより案内させていただきます。また、検査をする時期においても丁寧に検討し、場合によっては、「まずはきちんと眠れるようになってから実施しましょう」など、検査よりも優先されるべきことを提案することもあります。
検査を受ける意義は、検査が自分を知る「足がかり」になることです。検査によっては、チェックを記入する形の簡易なものから、解析が複雑なものまで幅広くありますが、1歩引いて自分を捉えるきっかけになります。ただあくまでも「足がかり」であり、検査結果は患者様の全てを断定するものではないことに留意しなければなりません。つまり、検査から分かったことをどう活かすか、どう理解するかが本質であり、検査そのものではなく使い方に意味の多くが含まれています。
検査を正しくと使えた場合、どういう効果を及ぼすかは人それぞれですが、例えば、簡易なチェックの検査にて「抑うつ状態」という結果がでた時、「自分は今抑うつ状態なんだ、今は休んだ方が良いかもしれない」と思い、自責の念から少し解放されることもあるかもしれません。もしくは、ちょっと休もうかなど、選択肢が広がるかもしれませんし、特別な感想を持たないこともあるでしょう。カウンセリングに先立って検査を行う際は、例えば言葉にすると「不安」としか言えない苦しみを、臨床心理士がより臨場感をもって想像しやすくなるかもしれませんし、患者様自身も自分の不安は、やはり並みのものではなかったと1歩引いて捉えるきっかけになるかもしれません。これらはあくまでも例ですが、いずれにしても、自分を知るきっかけを持つことは、自分が陥りやすいと考えられる特徴や、できるだけ快適に過ごせるような工夫点を見つけることにつながる可能性を秘めています。
複数の性格検査がありますが、それぞれ自分を知ることができます。不調を来した際、原因を取り除けば症状が軽減することがあります。もしくは、きちんと休養をとったり、服薬にて症状が軽減することがありますが、あまり改善がない場合や、改善したが予防的な意味で、自分が陥りやすいと考えられる特徴や、できるだけ快適に過ごせるような工夫点を検討することができます。